この記事では「自分が生きづらいのは人が怖いから」という、この認識を持つことで招く現状と原因、そして解決法をお話ししていこうと思います。
あなたが「生きづらい」という重々しい悩みを抱えてしまっているのは「人が怖い」という、他人の存在すべてを恐怖の対象として捉えてしまうことが原因だと思い、その恐怖さえなくせば楽になれると思っているのではないでしょうか。
かつて生きづらい状態でいた頃の私も、あなたと同じようにずっと人に対する恐怖心を抱えて生きていました。
知っている人であっても、街中ですれ違うまったく見ず知らずの人にすらも、とにかくすべての人に対して「怖い」という意識を抱いていたのです。
それは別にその人たちからイジメや不愉快な関わり方をされたなど、何か嫌な思いをさせられた訳でもないのに・・・。
ただ、その怯える意識は持っていたものの、それを表に出すような態度はしていないつもりでした。
・・・しかし私はしっかりとビクビク怯えている態度をあらわにしてしまっていたのです。
でも当時の私は自分がそんな態度を取っているとはまったく気付いていませんでした。
その事実を知ることが出来たのは「ある出来事」がきっかけだったのです。
「ニセモノの私」と「真実の私」
―それはかつて勤務していた職場での出来事です。
転職して間もない頃、作業を覚えるために指導係の男性から手順を教わるという状況になった時のことでした。
その男性はわりとおとなしいタイプの人だと知っていたので、その人から教わるなら大丈夫という安心感から精神的にも落ち着いた状態でいられたのです。
そして私の元にやって来た指導係に「お願いします。」と印象良く挨拶をすると、相手から返ってきた第一声は驚くべきものでした。
「・・・俺のこと、怖い?」
だったのです。
私はその質問の意味がまったくわかりませんでした。
自分は普通に接していたのになぜそんな事を聞かれたのかと不思議でしょうがなかったのです。
その指導係の人は同じ作業場にいたこともあって日頃から素性も知っていましたし、怖いだなんて思ったことは一度もありませんでした。
なので「もしかしたらあの人は初対面の人から怖いと言われることが多いのかな。」くらいに思っていたのです。
―それからしばらく経って、その人と打ち解けて仲良くなった頃にやはりあの時の事が気になって「なぜあの時、あんな事を聞いたの?」と尋ねてみました。
するとまたしても驚くべき答えが返ってきたのです。
「なんか月狼さんがビクビクして怯えてる感じだったから。」
これには本当に予想外すぎてびっくりしました。
・・・なぜなら当時の私はまったくそんな態度をしているつもりも、まして「怖い」という意識すらしていなかったからです。
確かに初対面だったので人見知りの私は緊張はしていたかもしれません。
しかし相手には緊張どころか「怯えている」という風に見えていたのです。
なぜ、こんな風に捉えられたのでしょうか?
これには明確な理由があるのです。
態度は無意識を映し出す鏡
私は常日頃から「人が怖い」という意識を抱えていたことで、何とも生きづらい人生を歩んできました。
その原因は母からの虐待や学生時代のいじめによって人への恐怖を植え付けられた事によるものです。
家庭でも学校でもどこへいっても私は他人からの脅威に晒されていました。
その状態が長く続いたことでトラウマとなり「人は誰もが私を攻撃してくるもの」という前提を潜在意識に植え付けてしまったのです。
やがて私は道ですれ違う見知らぬ通行人ですらも恐ろしくなり、顔を背けて目を合わせないようにしていました。
そして最終的には顔を上げて歩く事も出来ず、常にうつむいたままの状態でいたのです。
・・・本当は空を見るのが好きだった私でしたが、人が誰もいない場所でないと顔を上げて空を見る事すら出来なくなってしまったのです。
こんなにも人が怖いせいで生きづらいという悩みを抱えていることがどれだけ苦しかったか。
それでも月日が流れて行くうちに、なんとかそのトラウマは落ち着いていったのです。
生きづらいという感覚はまだあったものの、人が怖いという感覚はそこまで意識しなくなりました。
それからいつしか道ですれ違う見知らぬ人に怯えて顔を背ける行為もなくなり、堂々と空を見上げて歩けるように回復したのです。
だから私は人が怖いというトラウマは克服したのだとそう確信していました。
・・・しかしそれは「顕在意識」と呼ばれる脳内で自覚が出来る、たった3%程度の領域での把握でしかなかったのです。
なので「潜在意識」と呼ばれる脳内の97%を占める、無意識の領域にはまだ人が怖いというトラウマが生きづらさのひとつとしてしっかり残っていたのです。
この無意識の「人が怖い」を抱えたままではあったものの、私の認識としては「もう人は怖くない」という感覚で普通に人と接していました。
その結果、脳内では自分の認識と無意識の恐怖による食い違いが発生してちぐはぐな状態になり、それが更なる「生きづらい」という感覚に拍車を掛けることになってしまったのです。
潜在意識の驚異
実は人の行動や意識が現実に反映されるというメカニズムは潜在意識に影響を受けているのです。
つまりは日常生活での振る舞いのほとんどが「無意識」によるものなのです。
なので自分で自覚して行動していることと、周囲から見たあなたの行動は異なって捉えられている可能性があるのです。
それが私の場合「ビクビク怯えている」というあの状態でした。
私はまったく人が怖いだなんて意識しているつもりはなかったけれど、それはあくまで顕在意識での自覚に過ぎず、潜在意識ではまだ「人が怖い」状態が継続していたのです。
なので私としてはいたって普通に接しているつもりでも、相手から見たら「なんでこの人、ビクビク怯えているんだろう・・・」と思わせてしまっていたのです。
これでは相手に「あまり関わらない方がいいのかな・・・」と思われて気遣いから離れてしまうきっかけになってしまったり、もしくは「なんで何もしていないのにそんな態度取られるのだろう?」と不信感を持たれて距離を置かれてしまうなどの弊害を招いてしまうのです。
そして厄介なのは相手が不適切な人であった場合は
「こいつ、なんか弱そうだしいじめやすそう。」
「なんかビクビクしてるの見てたらイライラする。」
と思われ、攻撃や支配の対象とされてモラハラやパワハラ、DVや虐待に繋がってしまうことで更なる生きづらい状態になってしまうのです。
よって「生きづらいのは人が怖いせいだ。」という認識を生み出してしまうのです。
しかしだからといって「人に対する恐怖心」だけを改善しようとしても無駄なのです。
「人を怖いと思ってしまう原因となった体験」こそ諸悪の根源なのでそこから改善していかなければならないのです。
このようにメカニズムに気付いた私は自覚出来る顕在意識の部分だけを改善しても根本的な解決にはならないと悟り、潜在意識にあるトラウマとなった元凶の虐待やいじめによって植え付けられた「人が怖い」という部分からしっかり改善していったのです。
ちなみに今の私はもう、ビクビク怯えているという指摘は一切されなくなりましたし、やたらと人からいじめの対象にされたり攻撃されるということもなくなりました。
そして生きづらいという感覚ももちろんありません。
だからあなたも私と同じように、今現在抱えている生きづらさや人が怖いという怯えも悩みも、両方をしっかりと癒やして改善していくことが出来るのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事が少しでも悩めるあなたのお役に立てるなら嬉しいです。
そしてあなたの「生きづらいこと」や「人が怖いと思う時」などの体験談やお悩みもぜひ聞かせてください。
ひとりで抱えて悩んでしまうのはどうしても思考が良くない方向へと向かってしまいがちなので、思い切って打ち明けてみて欲しいのです。
人が怖い今は直接的な関わりを避けがちになってしまうでしょうが、こういう場所でなら本音を言えるかもしれませんから。
どうかあなたが生きづらい状態から抜け出せますように・・・。
それではここまで読んでいただきありがとうございました。