
「感覚過敏」が原因で悩んでいる方々へ。
「ちょっとした光がまぶしくて目を開けていられない」
「人の話し声や咀嚼音が耐えられない」
──そんな日常の刺激に強いストレスを感じることはありませんか?
私は長年、感覚過敏による生きづらさに悩んできました。
光や音、におい、味覚、触覚…すべてが人より敏感で、生活に支障が出るほど。
この記事では、私自身の体験談を交えながら「感覚過敏の原因」と「取り入れやすい対策方法」をご紹介します。
きっと同じ悩みを抱える方にとって、気づきや安心につながるはずです。
感覚過敏とは?
感覚過敏とは、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)が通常よりも敏感に働き、日常生活に支障をきたす状態のことです。
周囲にとっては「大したことがない」と思える刺激も、強い不快感や苦痛として受け取ってしまうため、心身のストレスにつながります。
ただし、すべてがマイナスではありません。
中には感覚過敏によって人には感じられない心地よさを得られる場合もあります。
私の場合は、特に視覚・聴覚・嗅覚で強い過敏さを持ち、生活に支障をきたすことが多いです。
以下では、五感ごとに私の体験談を交えつつ、感覚過敏による影響と対策を解説していきます。

五感ごとの感覚過敏と体験談
視覚の感覚過敏と対策
光に敏感で生活に支障が出るケース。
普通の人が気にならない光でも「強烈な刺激」として感じ、目を開けていられなくなることがあります。
夜間の自転車や車のライトに目を開けていられない。
曇りの日や積雪で白が強調されると、晴天以上にまぶしくて目が痛む。
私は目の色素が薄いため、特に光の影響を受けやすいという原因もあります。
[対策]
- 日中はサングラス、夜間は遮光グラスや色つき眼鏡を利用
- LEDのブルーライト対策には黄色レンズの眼鏡が効果的
- 生活に支障が大きい場合は眼科での相談もおすすめ
聴覚の感覚過敏と対策
日常音が過剰に響き、ストレスになるケース。
生活音や会話、咀嚼音など、人が気にしない音でも強い不快感を引き起こすことがあります。
子どもの頃、電車の警笛音が耐えられず耳をふさいで怯えていた。
乾いたような高音(何十枚の紙を机などでそろえる時にトントンとする音など)や、火災報知器など一般人が平然としている音が異常に大きく聞こえて恐怖を感じたり、耳の奥に刺さるような痛みを感じることもある。
会話中に相手の声よりも周囲の雑音ばかりが耳に入り、集中できない。
特定の声質(高い声)やズルズル、ぺちゃぺちゃという咀嚼音(特に氷や飴をガリガリ噛む音)などが強いストレスになる。
[対策]
- ノイズキャンセリングイヤホンやホワイトノイズ音源を活用
- 会話が必要な場では耳栓やイヤーマフで音量を軽減
- 苦手な音から距離を取る工夫を意識
嗅覚の感覚過敏と対策
においに敏感で体調を崩すケース。
例えばたばこや香水、化学製品、体臭などわずかなにおいでも強く反応してしまうことがあります。
しかし嗅覚が敏感だからこそ、自分の好きな香りに人一倍癒やされるということもあります。
体臭や汗臭さは特に耐えられず、吐き気を催すこともある。
香水や柔軟剤の香りがきつ過ぎると具合が悪くなる。
周囲が気づかないわずかな香りまで感じ取る。
(良い点)四季や朝夕の香りの違いなど、抽象的な香りまで敏感に嗅ぎ分ける。
- サシェやアロマを持ち歩き、安心できる香りで不快なにおいを和らげる
- マスクに好きな香りをしみこませてガード
- 換気や席の移動など環境を調整
味覚の感覚過敏と対策
刺激の強い味や食感に敏感だったりと食事がつらいケース。
普通の人が辛くない料理にも辛みを感じるほど苦手。市販の甘口カレーくらいでないと食べられない。
お酒は少量で気分が悪くなり、全く受け付けない。
お刺身やアボガド、バナナや缶詰の黄桃などのねっとりした食感は気持ち悪くて食べられない。
- 無理に食べない選択をすることが大切
- 付き合いだからと無理して飲食しない
- 周囲に自分の特性を理解してもらい、協力してもらう
触覚の感覚過敏と対策
服の生地や人との接触が苦痛になるケース
ホテルのベッドのようなツルツルしたシーツが落ち着かない。
電車で隣の人の衣服が触れるだけで不快になる。
仲のいい友達でもベタベタ触られるのは苦手。
- 自分に合う生地を見極めて購入(試着は必須)
- タグや縫い目の刺激にはリッパー(糸をほどくための道具)やアイロンシールで対応
- 人との距離感を大切にし、無理な接触は避ける
感覚過敏との向き合い方
感覚過敏は病気ではなく、生まれ持った性質のひとつです。
だからこそ「治す」ことではなく「和らげる工夫」と「環境の調整」が大切になります。
自分が何に敏感なのかを把握し、そのレベルに合わせて対策を取ることで、ストレスを大幅に減らすことができます。

まとめ
感覚過敏は、周囲からは理解されにくいことも多く「気のせいでは?」「大げさな」と思われがちです。
しかし大事なのは「世間の基準」ではなく「自分がつらいと感じているかどうか」です。
無理に我慢して生きていくのではなく、自分の性質を理解し、対策を取りながら快適な環境をつくっていきましょう。
私自身も、感覚過敏を「弱点」と考えるのではなく「自分の個性」として受け止めるようになってから、少しずつ生きやすくなってきました。
そして今はこの繊細な感覚だからこそ感じ取れる様々な美しい要素を楽しんだり感動しています。
あなたもぜひ、自分の体と心を大切にしながら、無理のない方法で日常を過ごしていただければと思います。
