ミコアイサのつがい
今回はマッチングアプリでのやりとりをしていたある女性の体験談を例として、何が不適切でなぜこんな展開になったのかということを分析して、客観的な視点から間違った言動や思考の癖の正体をお伝えしていきます。

スマホで綺麗な景色を撮る
その女性がある男性とマッチングして、しばらくやりとりをしていた時のこと。

彼女が誕生日が近いということを知った彼から「誕生日プレゼントをあげたいから何か欲しいものがないか」と尋ねられたそうです。

当初彼女はそんな気を使わなくていいよと何度も断ったそうですが、彼がどうしてもあげたいからと言うので安いものを提案したところ
「そんな安いものじゃ申し訳ないから・・・」と言うのです。
リボンがついたプレゼントの箱
そこで彼女は必死に考えた末、こんな結論を出したそうです。

「相手の負担にならない程度の値段で、でも安すぎもせず、贈ったことに実感を得られるプレゼントにしよう。」

という事で彼女の希望したプレゼントは冬用のコートでした。
しかもコートなら試着の必要性もあるから一緒に買いに行くというデートも出来るし、何より自分で選ぶ事も出来る。
それにもし値段が高いようならその場で他の物に変更することも出来るから最高の選択!と、自分の案に大満足したそうです。
冬用コートを着た女性
そして彼に「冬用のコートが欲しい」というメッセージを送ると

「付き合ってもいない相手にコートみたいな高価な物をねだるんだね。やっぱり金銭目的か。」
という返信が来たそうです。

それに対して彼女は憤慨。
「私は何度も遠慮して断ったのにそれでも押し通してきて、しかもあえて高いものを選ばせようとしてきたのはそっちでしょ!?」
と本心はそう思っていたものの、表向きは社交辞令の言葉で
「私はそんなつもりはまったくありません。プレゼントももういらないし、もうあなたと会うこともありません。」
と返信して即ブロックしたそうです。

そして「良かった!事前に危機回避出来た!」と彼女は早い段階で変な男を見抜けたことに大満足だったそうです。
金網の拡大

···さて、これを読んだあなたはどんな風に思いましたか?
もしくは似たような経験をお持ちだったりしますか?
 
女性であればこの「彼女」に共感する人が多いかと思います。
彼女が必死にプレゼントの質を考える所なんかは素晴らしいと思う人もいたのではないでしょうか。
そして「彼」の一方的な言いがかりの酷さに怒りを覚えたのではないでしょうか。

これは女性が書き手であるからどうしても女性目線になってしまっているので、女性の支持を集めてしまうのは仕方ないかもしれません。
太陽に向かって走る女性の後ろ姿
対して男性がこのストーリーを読んだら女性視点のこの書き方や、所詮金目的の女が自分を正当化しようと都合のいい書き方をしてるだけだろ、という反発心を持ったかもしれません。

そうやって男を悪者にして自分は悪くないといつも被害者ぶって、これだから女は・・・と女性への嫌悪感を募らせた人もいるのではないでしょうか。
線路に座り込む男性
でも、これを冷静に客観視するといろいろなことが見えてきます。
 
まず、結論から言うと問題は彼女にも彼にもどちらにもあります。お互い様です。
 
では男性側から解説していきます。

この男性は女性に対して「女はみんな金目的だ」という[前提]の思い込みを持ってしまっているのです。
おそらくは過去に付き合った女性がそうだったのかもしれませんし、周囲の男友達がそういう目に遭っているのを見聞きしたのかもしれません。

もしくは母親が金遣いの荒さがあって父親を困らせているとか、ネットなどの書き込みでそういうシーンを常日頃から目にしていたのかもしれません。

少なくとも彼の中には女性に対する不信感や疑心暗鬼があったのです。
暗いトンネルを歩く男性
そして彼女と知り合ったものの、彼女の真性などを知る前から「どうせこの女も金目的なんだろ。」と最初から決めつけていていたのです。
しかもそれは無意識な思考なので彼には自覚は無かった可能性もあります。

本当にちゃんとお付き合い出来る女性と知り合いたいという気持ちがあったとしても、わずか3%と言われている顕在意識では97%の「女性は金目的」という潜在意識には抗えないのです。

なので彼はその潜在意識に従う形となり
「絶対にこの女の金目的だという卑しい正体を暴いてやる!」
という思考が働いて、何が何でも彼女に金目的発言をさせるように自ら展開を誘導していったのです。
豪華なアクセサリーを付けた女性
それが
[何度も断ったそうですが、彼がどうしてもあげたいからと言うので安いものを提案したところ
「そんな安いものじゃ申し訳ないから・・・」と言うのです。]

この部分になるのです。

そしてその後、彼の思惑通りに彼女は高価なプレゼントを要求。
それに対して彼は待ってましたとばかりに
「ほらな!やっぱりそうだろ!女は金目的だろ!俺の思った通りだ!」
と自分の疑心暗鬼を確信して満足していたのです。

ちなみにこれは「試し行為」というものでもあり、自分の振るまいに対して相手がどう出るかを確認するために起こす問題行為のひとつでもあります。
すりガラスの向こうから手をついている人の影

そして次は女性側の解説です。

まず彼女が必死に考え思いついたプレゼントが冬用のコートということでしたが、彼女の感覚では「コートはそこまで高価ではない」のかもしれませんが、この感覚は誰にでも当てはまるものではありません。

―ちなみに私の感覚ではまだ浅い仲でのプレゼントとしては冬用のコートはかなり高いと思いました。

なので彼の誘導がなくても彼女のプレゼントの基準は高めだったのかもしれません。
コートを着た女性
そして彼女の思惑として「もしお店で価格を見て高すぎるというのであればその場で他の物に変更出来るし」というこの考えは彼女しか把握しておらず、彼は彼女の考えなんて知る由もありません。

彼としては「コートを買う事が決定している」という認識しかないのです。
なのでそれを伝えなければならなかったのです。
これでは彼女の柔軟な計画は自己満足に過ぎません。
笑う女性の口元
そして「彼も私の臨機応変な状況に応えてくれる」という最初からの決めつけもあります。
これは憶測に過ぎません。

コートを買う事を決定してお店に行ったのに「高いから申し訳ないし・・・じゃあ他の物を今から探そう!」
となっても「え、そんな予定外な・・・」と相手は不満を感じてしまう可能性もあります。

特に男性は無駄な事や余計な手間を嫌い、きちんと決まった最低限の段取りで取り組むというタイプの人が多いので、女性のように「あっちがいい!あーでもやっぱそっちにしようかな・・・」という優柔不断についていけなくなってしまうこともあります。
顔を描いた卵
これがすでにお付き合いしているカップルとか夫婦であるなら問題ないでしょうが、知り合ったばかりというのであれば「まず自分はこういうことを考えていて・・・」という意思表示は重要になります。

もちろんその場で変更するくらいなら大丈夫、という柔軟な対応が可能な人もいるでしょう。
しかしやはり最初から自分が考えていたことをちゃんと伝えておいた方が相手も思考の準備が出来るのでコミュニケーションはスムーズになります。

しかし今回の件では完全に意思の疎通不足でした。
向かい合う二匹の犬
彼女は自分の計画や考えどおりに彼が動いてくれるものだと思い込んでいたけれど、結果的に意味不明な言いがかりを付けられて「なんなのこいつ最低!」という結末になってしまった訳です。

彼女の問題点は「察してくれる、わかってくれて当然。」という決めつけによるコミュニケーションの仕方と、自分の価値観は他人もそうであるという決めつけの部分です。
男女でのケンカではこういう原因が多いのではないでしょうか。
威嚇し合うジャガー
最初からこんな人と引き合わなければお互い嫌な思いはせずに済んだかもしれませんが、やはり生きている限りは様々な人との出会いはあります。

その中でどれだけあなたが自分を傷付けずにストレスを最小限に抑えて人付き合いが出来るかということが大切になります。

すべて「相手のせい」だけではなく「自分にも問題がある」ということに気付けるようになりましょう。

 

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