
「いじめの仕返しはいじめになるのか」と考えるあなたは、ずっと抱え続ける強い怒りや悔しさをどうすればいいのかと悩んでいるのではないでしょうか。
やり返したい気持ちの中にある「同じことをしたら自分も加害者になるのでは?」という葛藤。
その間で揺れる経験は私にもありました。
この記事では、いじめの仕返し・復讐・自己防衛の違いを整理しながら、あなたの心が少し軽くなる考え方をお伝えします。
いじめの仕返しは”いじめ”になるのか?
まず整理したいのは、「いじめ」と「加害行為」は同じではないということです。
暴力や悪口を言う、無視するなどこれらは一度でもすれば”加害”です。
たとえ理由があっても相手を傷つければ責任は生じます。
一方、”いじめ”とは一般的に次のような構造を含むものとされています。
- 心身に苦痛を感じさせる
- 力関係に差がある
- 一方的で逃げ場がない
つまり「単発で仕返し」をした場合は”加害行為”にはなり得ますが、それは“いじめ”の定義にはなりません。
ただしその”仕返し”が継続し、立場が逆転し、一方的になれば——それは構造として「逆いじめ」になる可能性があります。
大切なのは「先にやられたか」よりも、「今、自分が何をしているのか」という視点です。

自己防衛と復讐は何が違うのか
ここで混同しやすいのが「自己防衛」と「復讐」です。
自己防衛とは
自分の身に及ぶ危険を止めるために境界線を示すことで、これ以上傷つかないための行動です。
目的は「自分を守ること」です。
復讐とは
相手に後悔させるために、苦しみを与えて屈辱を返したいという欲求です。
目的が「相手を傷つけること」になったとき、それは復讐に近づきます。
どちらが善悪というより目的がどこに向いているかが違います。
私が経験した復讐と自己防衛
ここで私の体験エピソードを語っていきたいと思います。
ある工場で働いていた頃、仕事をせずおしゃべりばかりしているパートの女性に注意したことがありました。
それが不快だった彼女は、部長に「月狼さんは言い方がきつい!」と訴え、結果的に私が注意を受け、強い怒りと悔しさを覚えました。
それから間もないある日、彼女が身勝手な理由で作業を拒否し、周囲に迷惑をかけていた場面で私が強く叱責したのです。
皆の前で怒られ、恥をかいた彼女は怒り心頭で言い返したものの、すぐに黙り込みました。
これが私の「復讐」です。
その後、私はこの環境に居続けることは自分を消耗させると感じ、職場を離れました。
これが「自己防衛」です。
なぜ復讐したくなるのか
復讐心は異常ではありません。
いじめを受けると人は無力感や尊厳の侵害、強い不公平感を抱きます。
復讐は「相手を不幸にしたい」というより、「失われた自分の価値を取り戻したい」という欲求に近いのです。
だからこそやり返さなければ自分が否定されたままのように感じます。
「そんなことはない。相手が不幸になることで自分は報われる。」
そう思う人もいるかもしれません。
しかし相手を傷つけることと、あなたの尊厳が回復することは必ずしも一致しません。
一瞬気持ちが晴れたとしても、実は心の奥の傷は残ることがあるのです。
・・・実は先程のエピソードには続きがあります。
私の退職後、彼女はターゲットを変えて別の人にも同じような態度を取り、退職させてしまったのです。
しかし私に続いてそのような事態が起きたことで周囲から圧が掛かり、今度は彼女が退職に追い込まれたそうです。
このように因果応報となった訳ですが、何年経っても私はあの時の理不尽さや悔しさを拭うことが出来ないままなのです。
復讐しない選択は「負け」ではない
「復讐を選ばない」というのは自分だけが我慢をしているように感じるので、一見敗北のように思うかも知れません。
しかしむしろそれは人生の主導権を取り戻す行為なのです。
復讐に向かうと意識の中心存在は常に「加害者」になります。
「あの人がどうなるか」だけが自分の感情を左右する状態です。
一方で「自分のやりたいこと」や「大切にしたい価値観」、「安心できる人間関係」などに意識を戻すと、基準は”自分”になります。
復讐は相手基準。
回復は自分基準。
この違いはとても大きいのです。
いじめの記憶に縛られないために
だからと言っていじめを受けた悔しさや痛みを無理に忘れたり、許す必要もありません。
でも「会わない」「関わらない」「人生を預けない」という選択はできます。
距離を取ることは逃げではなく、自分を守る行為です。
心が少し落ち着いてくると「罰を与えたい」よりも「自分を満たしたい」が自然と前に出てきます。
それはいじめで傷付けられた悔しさや悲しさを捨てることではありません。
復讐心よりも自分が幸せになる選択を優先するようになるのです。

まとめ|いじめの仕返しより大切なこと
いじめの仕返しはいじめになるのか。
答えは「目的」によります。
もちろん加害者を無理に許さなくていい。
でも自分の人生の舵を相手に握らせ続けない。
いじめのトラウマを抱える人が生きづらさを軽くする第一歩は、「勝つこと」ではなく「自分を取り戻すこと」かもしれません。
あなたの中には今、どんな気持ちが芽生えているでしょうか。
良ければ感じたことをそっと教えてください。
この記事を読んでわかりにくかったことや、もっと聞いてみたいと思ったことなどありましたらコメントやメッセージにて受け付けています。

