この記事では認知症の家族と同居されていて、認知症者の理不尽な言動や振る舞いが原因となってストレスや心の苦しさを抱えてしまっている人への対策方法をお伝えしていきたいと思います。
それではまずは私の体験談からお話ししていこうと思います。
私は今、夫の実家にて夫、私、姑の3人で住んでいます。
・・・結婚する際、本当は同居は絶対に嫌だと思っていたのですが、そこを妥協してしまい「何とかやっていけるだろう」と欺瞞してしまったのです。
結婚前に挨拶に伺った時も姑は笑顔で接してくれて、やりとりをしていると「多少干渉するタイプ」だとは思ったものの悪い感じはまったくせず、これなら上手くやっていけそうと思い安心していたのです。
しかし夫は結婚前から「うちの親、ボケてるから」とはよく言っていましたが、私は単に揶揄して言っているだけと捉えていました。
なので私はまったく疑いもしていませんでした。
ところが引っ越して2日目のこと。
午前中から引っ越しの手続きなど必要な用事のために外出していて夕方くらいに帰宅するとものすごい形相をした姑が玄関までやって来て
「あなたどこ行ってたの!?仕事もやめたんでしょ!?それなのになんでこんな長い時間出歩いてるの!?友達と会ってるの!?この事は〇〇(夫)は知ってるの!?」
と私に詰め寄って来たのです。
驚いたもののとりあえず用事があって、と理由を話すと
「出かけるならちゃんと決めなきゃダメじゃな!!こんな時間に帰ってきて!」
と・・・。
私はパニックに陥りました。
・・・決める?決めるって一体何を??
私は必要な用事があっても自由に外出も許されないの?夕方に帰ってくることがもうダメだっていうの?
子供でもないのになんでそこまで束縛されなきゃいけないの?
私には自由がないのか・・・と愕然としました。
そして姑に異常な勢いで詰め寄られ、睨まれた恐ろしさで硬直してしてそれ以上何も答えられなかったのです。
その日の夜、夫にその出来事を話すと謝られ、「ごめんね。干渉しないように言っておくから」と言うとすぐさま姑のところへ行き、忠告してくれたのです。
その時はホッとしたのですが・・・。
翌朝。
目が覚めた瞬間にフラッシュバックのように前日の光景が蘇り、恐怖に襲われたのです。
そして出勤前の夫が私の部屋に来た時に、私の様子がおかしい事に気付いた旦那がどうしたのかと心配してくれたのですが
「・・・今日もまたお義母さんに何か言われるんじゃないかとか・・今度は何を責められるのかって考えると・・もう、しんどい・・・・・」
と大泣きしてしまったのです。
すると出勤前にも関わらず夫は私の隣に座ってしっかり話しを聞いてくれたのです。
仕事遅れるからもう行ってもいいよ、と言ったのですが
「仕事よりこっちの方が心配だから」
と言ってくれたのは本当に嬉しかったです。
そしてすぐさま姑のところに行ってかなり強めに「あいつの行く場所も時間もいちいち詮索するな!」と警告してくれたのです。
―が、それでも姑の奇行は止まらなかったのです。
その原因が「認知症」であると気付いたのは2週間ほど経ってからの事です。
病院で診断された訳ではありませんが、物忘れやおかしな言動、妄想などが完全にそうだと確信したのです。
ちなみに夫は本当に母親が認知症だという認識をしておらず、単にもの分かりが悪くなっただけという捉え方をしていました。
そして以前はこんなことはなかった、明らかにおかしくなったとも言っていたのでどうやら私が引っ越して同居したことで環境の変化によるストレスで症状が悪化したのだと思います。
そして姑にはどんなに「嫌だからやめて欲しい。」と説得をしても改善はされませんでした。
そんな中で私は日々ストレスを溜め続け、食事が出来ないほど打ちのめされたり、睡眠不足になったり、夜中に自分の叫び声で目が覚めたりと精神的に追い詰められた状態になってしまったのです。
「このままでは私までおかしくなってしまう・・・。」
そう危惧してなんとか対策をしなければと考えたのです。
そしていろんな対策を実行した結果、効果を出せたものがいくつかあったのです。
それではここから本題の「対策」についてお話ししていきます。
まず私が試しておすすめしたいのがこちら
「ひとりごとを言う」です。
認知症者のことではありません。
対応に困っている人がすることになります。
おそらく日頃から認知症者はひとりごとを言うことが多いかと思います。
姑もそうです。
TVを見ながら、ご飯を食べながらとにかくぶつぶつとひとりごとをつぶやいています。
そんな時にふと、
「おかしくなっている人の前で同じことをしたらどうなるんだろう」
と思ったのです。
そしてある時、それを実行してみたのです。
台所で料理をしていた時にわりと大きめのひとりごとをつぶやいてみたのです。
姑はいつもすぐ側のリビングのソファーに座っているのですがそこに聞こえるくらいのボリュームで。
ひとりごとの内容は何でも良いのです。
明日の予定でもドラマの感想でも行ってみたいお店でも意味不明な言葉の羅列でもいいです。
出来れば相手が理解出来ない単語などがいいでしょう。
ただし間違っても会話に発展させないでください。
そして相手に何を言われてもそれに答えないでください。
うるさいと言われても気にしないで続けてください。
私の場合は姑が負けじとひとりごとを被せるように言い始めたので更に大きな声でひとりごとをつぶやきました。
すると姑はひとりごとをやめて驚く発言をしたのです。
「いつもご飯作ってくれてありがとうねー。」
突然、なんの脈絡もなくそう言ったのです。
なにを感じてそう言ったのかわかりませんが媚びて試し行為をしているのかとも思ったのです。
つまり姑は「私が怒っていて機嫌が悪い」と受け取ったのかもしれません。
更にそう確信が出来たのがこの出来事でした。
私が料理をしていると、姑が冷蔵庫を漁り始め
「ねぇ、ここに入れた〇〇知らない?」
と聞いてきたのです。
―これは経験上、物を盗った犯人にさせられる流れの始まりなのです。
もちろん私は姑の入れた物がなんであるかも知らないし、答えることは出来ません。
なので厄介なことになる前にひとりごとを発動させました。
あれこれ私に聞いてくる姑の問いにはまったく関係ないことをぶつぶつとつぶやき続けたのです。
するといつもはどんなに説得しても怒っても、しつこく詰め寄ってくる姑が慌てた様子で
「あぁ!ごめん!あったあった!ここの奥にあったから!ごめんね!私ボケてるから」
と即自力で発見したのです。
・・・しかしそれでも私はひとりごとをやめませんでした。
一向に止まらないひとりごとに姑は焦った様子で
「ごめん!ごめんね!もう見つかったから!」
と何やら必死になっているのです。
やはり姑の解釈では「ひとりごとは相手が不愉快な状態」という捉え方になっているようなのです。
こちらが不適切さをどんなに訴えてもあっけらかんとしている姑がこの時ばかりは動揺して身を引くのです。
しかし私はまだひとりごとをやめませんでした。
姑がいる部屋から離れるまでずっとひとりごとを続けたのです。
なぜなら姑の制止通りにしてしまえば「言う事をきいてくれる」という解釈をさせてしまうからです。
だから「相手を不愉快にさせたら自分にはどうすることもできない」ということを身をもって体験してしてもらうことが目的なのです。
こうして私は姑の理不尽な詰め寄りに効果的な対策を見出したのです。
このおかげで本当に気が楽になりました。
この対策のポイントは
「発症している相手に従わない」
「どんな否定的、攻撃的なことを言われても気にしないでひとりごとを続ける(バカじゃないの?何言ってんの?頭おかしいのそっちでしょ!など)」
「相手がひとりごとを被せてきたら自分のひとりごとを大きめに言う」
・・・実はこれ、「主導権を握る」という状態になっているのです。
今までは言われっぱなしで振り回されてきましたよね。
それは相手が主導権を握っていたからなのです。
理不尽に振り回されているうちに、いつの間にか相手が上になってしまっていたのです。
なのでこれからはあなたが主導権を握るように振る舞ってください。
そうすれば自然と相手は突っかかって来なくなります。
ただし暴力暴言はいけません。
大事なのは相手に何をするかではなく「自分がどうあるか」なのです。
是非試してみてくださいね。