
「自分がこんなに生きづらいのは全部親のせい」と、毒親に育てられた私は長い間そう思ってきました。
幼少期から虐待を受け、対人関係もうまくいかず、仕事や恋愛でも失敗ばかり。
すべてを「母親のせい」にして約40年間恨む日々を送ってきました。
しかし、ある気付きを得たことで私は少しずつ心を回復してついに生きづらさから抜け出すことが出来たのです。
この記事では、私自身の体験を交えながら
- 「全部親のせい」と思う心理の正体
- 毒親が子に与える影響(アダルトチルドレン・愛着障害)
- 苦しみから抜け出すためにできること
をお伝えしていきます。
「全部親のせい」と思ってしまう心理とは
私の場合「親のせいで自分はこうなった」と思うと心の奥に安心感がありました。
なぜなら「原因が自分ではない」と感じることで責任から解放されるからです。
しかし同時にその安心感に長くしがみついてしまうことになるのです。
親を責めること自体が悪いわけではありません。
幼少期に受けた影響は確かに大きく、心を壊すほどの力を持つからです。
ただそこにとどまり続けると「過去の支配」から抜け出せなくなり、未来に進む力を奪ってしまうのです。

毒親・虐待が子どもに与える影響
アダルトチルドレンとは
私が大人になっても人との関係が苦手で、うまく距離が取れないのは「アダルトチルドレン(AC)」の特徴でした。
アダルトチルドレンとは、機能不全家庭で育った人が大人になっても心の傷を抱え、生きづらさを感じ続ける状態を指します。
- 人と深い関係を築けない
- 相手の顔色ばかり気にする
- 自分の気持ちがわからない
これらはまさに私自身の姿でした。
愛着障害とは
さらにもっと奥底にはこんな根本原因がありました。
本来、親からの愛情を土台にして「人を信じる力」や「自分を信じる力」などが育まれます。
しかし虐待や無視の中で育つと、その土台が壊れ、人とつながること自体が怖くなってしまうのです。
これが「愛着障害」と呼ばれるものです。
「安全な居場所」を自分で作るには「親離れ」をすること
愛着障害を癒やすにはまず、心のより所となる「安全な居場所」の存在が必要となります。
子供には、知恵や力があって守ってくれる大人の存在が必要であり、それは本来親の役目なのですが毒親の場合はそれが成り立ちません。
けれど自分自身が知恵も力も身に付けた大人となったのであれば、心のより所は自分でも十分その役目を果たせます。
もしくはあなたにとって大切な人でもいいでしょう。
なので「親にどうにかしてもらいたい」「親でなければダメ」というその気持ちを少しずつ手放していきましょう。

厳しいしつけと虐待の違い
毒親はよく「お前のためだ」「厳しく育てるのが愛情」と言います。
私はそれが正しいものだと信じ込まされてきました。
なので
「あんたには無理に決まっているでしょ!将来のためを思って言っているの!」
「子供のくせに親に口ごたえするな!働いて稼いでもないくせに!!」
このような言葉すらも当然のように受け入れていたので、私が悪い子なんだと思っていました。
でも今ならはっきり言えます。
これは「しつけ」ではなく「支配」でした。
- 恐怖で従わせる
- 自分の意見を持つことを許さない
- 間違いを責め立てる
これらは子どもの人格を無視した、ただのコントロールです。
親を反面教師にしたはずが同じ道をたどる理由
理不尽な思いをさせられた私は「母のようにはならない」と強く誓っていました。
けれども気づけば母と同じように人を責めたり、距離の取り方が下手だったりと憎んでいた母の姿をなぞっていたのです。
その理由は、心にしみついた「生き方の型」が無意識に再生されるからです。
そしてここに気付くことが抜け出す第一歩になります。
「親のせい」から抜け出すための方法
は、どうすれば「全部親のせい」という思考から抜け出せるのでしょうか?
それは親に責任を取らせようと思わないことです。
実は私は親を憎みながらも「親に変わってもらいたい」という願望を心の奥底に持っていました。
いつか心を入れ替えて自分のした酷いことを反省してくれるのではないかと期待していたのです。
しかしその願望は捨てた方が良いと気付きました。
・・・実は他人の心を変えるというのはとても難しいものなのです。
まして毒親は子供を傷付けているという自覚がないので改善の見込みはほぼありません。
なので悔しいかもしれませんが、親への期待や執着をしない方が良いのです。
しかし許す必要はもちろんありません。
「親の存在や記憶を頭に思い浮かべない」
これをするだけでイヤな気持ちにとらわれなくなるので、親のせいにすることもなくなります。

まとめ|親を恨むより、自分を解放していこう
「全部親のせい」と思うことは、ある意味で自然な反応です。
私も長年そうやって自分を守ってきました。
けれど本当に大切なのは「親を責める・何かを求める」のではなく「自分を自由にしてあげること」だと気づきました。
過去にどんな親のもとで育ったとしても、これからの人生をどう生きるかは私たち自身に委ねられています。
その一歩を踏み出すとき、あなたの心はきっと軽くなるはずです。
もしこのテーマについてもっと深く知りたい、自分の体験談を聞いて欲しいという場合はコメント欄やメッセージにて受け付けていますのでぜひご連絡ください。
ひとりで悩むより誰かと一緒の方がきっと心がラクになるでしょうから。