柵から顔を出す三毛猫

人は「変わること」に恐れや不安を感じやすいものです。
それが生活に根付いた習慣や長く続けてきた生き方であれば尚更のこと。

私もかつて自分を良い方向へ変えるためのスタート地点に立つまでにどれだけ二の足を踏んだことか・・・。
生きづらい状況をなくしたいのに、心を楽にしたいのになぜこんなにも躊躇いが生じるのかと悩み葛藤したことか・・・。

今回はそういった良い方向に変えたいはずなのになぜか行動に移せない原因を明かしていきたいと思います。


まず人は自分の命を守ることを最優先として無意識的に行動しています。
自分がいる建物で火事が起きたり、包丁を持った危険人物が目の前に現れたら考えるより先に逃げるという「行動」を取ります。

蜘蛛の巣の前で手招きする着物を着たマネキン
ところが、例えば「残業が多い」「仕事を押しつけられてばかりで理不尽な思いをしている」「職場の人間関係が良くなくてしんどい」など「職場環境が自分に合わず苦しい思いをしている」というものは今すぐに命の危険に晒されるものではありません。
・・・もちろん長い時間を掛けてしまえば命の危険性が増す可能性はありますが。

この命の危機を感じるほどではないけれど生きづらいと感じる環境においては選択をする猶予が与えられている状態なので人は様々な思考を巡らせてメリットとデメリットを模索します。

職場に難ありというなら「転職」が一番の選択肢となるでしょう。

しかしここで転職のデメリットを見出してしまうのです。
おそらく転職活動を経験された方の中には一筋縄ではいかなかったという方もいることでしょう。

私も6回ほど転職の経験がありますが毎回職業安定所へ通っては職探しをして面接、不採用、また職探し・・・とその繰り返しで相当な時間と体力を要したので本当に苦労しました。

なかなか条件に見合った職場が見つからず途方に暮れたり、何度も不採用通知をされる度にどんどん意気消沈してしまったので転職にいいイメージはまったくなく転職はリスクがあるとしか思えなかったのです。

そしてこのパターンとは違い、中にはそのような転職経験がないからこそ周囲の人の転職経験を聞いて「転職って難しいんだ・・・」と最初から決めつけてしまったり、自分のネガティブ思考で「自分なんかが転職出来る訳がない。そんないい職場に入れる訳ない。」などと思い込んでしまっている人もいるでしょう。

「だったらいっその事、このつらい職場にいた方がまだマシかも・・・」
そんな風に思って結局現状維持を貫いてしまう、こんな状態にある人もいるのではないでしょうか。

実はこのようにつらい状況よりもむしろ「その場」から離れることの方に不安や恐怖、リスクを抱いてしまっているとなかなか逃げるという選択肢すら持てないのです。

命に危険性が及ぶほどでないのなら、その場に居続ける方を優先したいために「つらさや苦しさに慣れて居続けよう」としてしまうのです。

水が落ちる場所にたたずむゴイサギ幼鳥
「なぜ逃げないの?」
「そんな職場辞めちゃえばいいのに」
あなたの心境など知らない第三者ならおそらくこう言うでしょう。
けれどその第三者も当事者になればこういった立場になる可能性はあります。
客観視出来るからこそ冷静な判断を下せるのであって、いざ我が身となれば同じ穴のムジナになるかもしれないのです。

ただし、ケースとして簡単に逃げ出せない状況にあるという場合もあります。
転職先が見つからないから生活費を稼ぐためにすぐには退職出来ないなど、この場合は意思があっても居続けざるを得ない、という選択肢になってしまいます。

そしてどちらのパターンであったとしても人は時間を掛けて、そのつらく苦しい状況に馴染む自分になるように合わせてしまいます。
それはとにかく自分の命だけは脅かされないように、そのためだけに加害者に従いながら生きる方法を身につけていくのです。

すると当初はその環境から離れるための一時的な我慢だったにも関わらず、その我慢が定着してしまって「なんだかこの状況でもやっていけそうかも・・・」という思考に切り替わってしまうのです。
しかし肝心の環境自体は決して良いものに変化した訳ではありません。
あなたの脳内が慣れるように無理やり変化しただけなのです。

なのであなたの心自体は何も変わっていないので「心は苦しいまま」の状態なのです。

しかしそれは最低限命だけは安全である生活を送ってしまいます。
そしてそれが長く続けば続くほど、苦しい状況にも関わらずそこに「安心感」を見出してしまうのです。

大きなサボテンの山そうなってしまうといくら現状より楽で幸せな環境や条件の職場が現れても、新たな環境に移ることへの不安や変化への恐れの方が上回ってしまったりと、デメリットしか見出せない状態になってしまいます。
これは人間の脳が安全に生きるためにそういう傾向に向かわせてしまうというのが原因でもあります。
未知なる幸せな環境より、生きづらくとも慣れた環境の方が安心感を得られるという風になってしまっているのです。

けれどその一歩を踏み出しさえすれば生き慣れた苦しみから解放され楽になれるのです。
だからこそ、その偽りの安心感への抗いと意識を変えるきっかけが必要となります。
それが「潜在意識の書き換え」です。

これは無意識の領域にアプローチをして心の中の根本的な部分から変えていくという取り組みになります。
なので様々なトラウマや思い出したくもない酷い過去、長く閉じ込めていた自分の心の傷と向かい合わなければなりません。

そうなると潜在意識は抵抗をします。
それもまた変化への恐れのせいです。
潜在意識も変化を嫌うものなのです。ーその理由はやはり自身を守るため。
つまり自分を守るはずの機能が逆に自分を追い込む原因となってしまっているのです。

バビルサの彫刻
なのでここは一筋縄ではいきません。
心の状態によってはなかなか順調にはいかない可能性もあります。
でもそれだけ心の問題とは深くて重いものだと実感する機会だと思ってください。

だからこそ世間にあふれている簡単スピリチュアルなんかではどうこう出来るものではないのです。
けれど楽なものにすがらず、自分自身のトラウマや弱さとしっかり向き合うという本気の行動を選択すれば確実に心は楽になって生きる事にもう苦しむ必要もなくなります。

例えば、怪我をして痛む傷口をどうにか早く治したいなら傷口に薬を塗りますよね。
「傷口に触ると痛いから直接は塗れない・・・だから傷口周辺に薬を塗っておこう。」
・・・これでは傷口は治りませんよね。
この場合はとりあえず「対処したフリ」で満足しているだけという状況に過ぎません。

ネット上にあふれる簡単スピリチュアルや楽に心を改善出来るセラピーの類いはこの方法を用いている事が多いのです。
これでは治るものも治りません。

確かにかつて味わった苦しみや心の痛みには誰しも向き合いたくないでしょう。
私も改善の段階でフラッシュバックがあったりとかなりつらいこともありました。
それだけつらいものだからこそ完全に見えないように心の奥底に閉じ込めたのですから・・・。

落ち葉の隙間に生えたキノコ
でも本当に幸せになりたいなら、この先の人生を今までとは比べものにならないくらい楽しいものにしたいなら、そこは越えなければならないハードルです。
実は苦しみや傷と向き合うことで「本当の自分」が見えてきます。
それは思いもよらない意外な自分の一面だったりもします。

例えるならパンドラの箱で数々のネガティブや忌まわしいものの中にもたっとひとつの「希望」があるように、自分が幸せになれる原石が眠っているのです。
なのでどうか怖がらずにその希望を、本当のあなたを見つけてあげてください。
それから閉じ込めた数々の傷も苦しみも自分の一部なのでそこは過剰に怯えないでください。

・・・とは言っても数々のつらい状況を味わった現段階のあなたでは難しいでしょう。
これらの不安や心配事についても癒やしの段階にてお話ししますので安心してください。紫の花

こうやってメカニズムを知れば不安や恐怖も和らぐ事と思います。
知らないから怖いのです。まさに最初にお話しした変化への恐れと同じです。
これが脳や潜在意識の特性だと知った今なら次の一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
このように私がお手伝いしますので、ぜひこれからも一緒にその苦しみやつらさを克服していきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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