今回は[古典的条件付け]という、この心理学用語の解説と共に具体例をあげてわかりやすくお伝えしていきます。

この古典的条件付けとはロシアの生理学者であるイワン・パヴロフの唱えた説で、いわゆる「条件反射」のことです。
これは無意識の反応であり、「何らかの刺激を受けると決まった反応をする」という状態です。

有名なのが「パヴロフの犬」の実験です。

まず犬に食べ物を咥えせると自然と唾液が出てきます。
これは「無条件反射」と呼ばれる生まれ持った反応です。

そしてこれを繰り返し、犬の前で食べ物を見せるとそれだけで唾液が出るようになります。
この経験を重ねた結果の状態を条件反射といいます。

そしてこの刺激と反応を利用することによって行った実験が「犬に食べ物を与えている時にベルを鳴らす」というものです。
それを繰り返すことで犬は「ベルの音を聞いただけで唾液を出す」状態になるのです。

このようにベルと唾液というのは本来無関係のものでしたが、条件付けをすることによってこうやって結びつきを作ることが出来るのです。

このように古典的条件付けとは自律神経による反応に刺激を与える事で、意図して結びつきを作るものです。

ではここから心の苦しさを抱えてしまう原因や生きづらさを感じてしまう例をあげていきます。

―例えば子供の頃に親から酷い虐待をされていた場合。
暴言や暴力によって「恐怖」の感情を持つようになり、精神的、肉体的な「痛み」も感じてしまいます。

そしてこれらが日常化してしまうと、子供は親を見ただけで何もされなくても恐怖を感じ、痛みを与えられるかもという恐れと防御から身体が身構えてしまうのですくんでしまいます。

こうなると子供は怒られていない普段から親の言いなりにならざるを得ない状態になってしまいます。
親の顔色を伺い、親の言う事は何でも従わないと怖くて痛い目に遭うからです。

本来、親子であろうが何でも言う事を聞くというのはさすがにありえないものです。
自我を持たず、親の奴隷になってしまうということは異常なことです。

こうやって暴言や暴力という「刺激」と、恐怖や痛みという自律神経の「反応」を利用してこのような悲しい結びつきが形成されてしまうのです。

そしてこれは子供が成長してからも影響を及ぼします。
学校や社会に出てからも「親のような支配的、暴力的な人」を前にすると恐怖を感じ、その瞬間に「言う事を聞かなければ」という無意識的反応を起こしてしまうのです。

なのでやたらと機嫌を取ったり、顔色を伺ったり、無理難題をなんでも受け入れ従ったりしてしまうのです。

これがいわゆる「愛着障害」という親子の愛情形成が不十分だった事による悪影響です。

すると当然その親のような人は「こいつは使えるやつだ」と喜んで関わり続けます。
必要とあらばあなたを擁護するフリをしたり、味方してみたりなどもして信頼させる場合もあります。

こんなことをされると「あぁ、やっぱりこの人に従って良かった。この人は味方なんだ」と普段蔑ろにされている分だけ、少しでも優しくされた事が過大評価となってしまい、間違った信頼を持ってしまうのです。

こうやって飴と鞭のような状態で不適切な結びつきを存続させるのです。

こんな状態を続けていたら無意識とはいえさすがに精神的に苦しくなります。
そして無意識ゆえになにが原因かわからない、というこの得体の知れない不安も加わって「なんだか生きづらい。心が重苦しい・・・」と感じてしまうのです。

けれど解決したくても無意識だからこそ自分では原因に辿り着けないものなのです。

だからこうやって私のブログなど第三者の言葉をきっかけに「ようやく気付くことが出来る」状態になれるのです。

一番大変なのはこの部分かもしれません。
私も自分の何が原因なのかと必死に調べまくっていましたから。

しかしこうやってひとつひとつ原因を知り、そのメカニズムを分析していけば「わからない。どうしよう・・・」という不安は払拭され、やがて心は落ち着き、すんなりと腑に落ちて問題解決や克服に繋がります。
なのでまずはいろんな事に「気付く」ことから始めましょう。

日常生活において上記の具体例ような状態がおきていませんか?
今一度自分の行動や思考とじっくり向き合ってみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

もし、こんな人が周囲にいるなら要注意です

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